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安全運転管理者講習での講演2019年11月13日

本日(11/13)に唐津で行われた「安全運転管理者講習」で「事故と賠償」というテーマでのお話をさせていただきました。

毎年弁護士会から派遣されて,各地の講習会で弁護士が外部講師を務めており,私も今年は唐津での講習会での登板となりました。
本来は「事故の際の賠償責任の内容」や「民事裁判手続きの流れ」などをお話しするパートなのですが,この話はテキストにも掲載されていますし,何度も受講されている方も多いと思いましたので,私の場合にはもう少し実務経験をふまえた内容をお話することにしています。
今回お話しした内容は

1 交通事故における責任として,民事責任のほかに刑事処分,行政処分がある。特に刑事処分については,「危険運転致死傷罪」による厳罰があり,また重大な交通事故は大きく報道されるなど社会的にも批判を受ける。

2 従業員の事故については,使用者も使用者責任や運行管理者責任を負う可能性がある。通勤中の事故であっても使用者責任が問われることもある。

3 近年,交通事故の賠償水準は高額化しており,死亡や重度後遺障害の場合には数億円ということもありえる。またむちうち等の後遺症が残った場合,自賠責だけでは賠償をまかないきれないのが通常である。
物損についても,建物の損壊や高額な積み荷の損壊があると,数千万円~数億円の賠償となることも珍しくない。
しかし,任意保険に加入していても,対人・対物を無制限にしていない場合もある。
また,任意保険(共済含む)の契約率は約90%であり,「10台に1台は任意保険に加入していない」という統計データがある(この話をすると皆さん驚かれます)

4 使用者に責任をといえる場合で,運転者の保険で満足な賠償を受けることが困難な場合,弁護士としては使用者の責任を問題にして,「回収できるところから回収する」と考える。特に従業員の自動車・バイク通勤を認めている場合には適正に管理をする必要がある。

5 使用者の賠償責任が問われた場合,応訴の負担や賠償の負担などの目に見える負担のほか,社会的評価の低下などの問題もある。これは使用者が当事者となる場合も同様である。
なので,社用車に任意保険をかけることは当然として,自動車通勤をする従業員にも対人・対物無制限の任意保険をかけるよう求めることや,従業員が事故を起こさないよう会社において安全運転の意識をもつ必要がある。

6 佐賀県内での事故発生状況の統計からは追突事故が圧倒的に多く,また現場の実感として「右直事故」や「道路外からの出入りの事故」が多いと感じる。これらの事故は車間距離を確保することや,右左折の際に「無理をしない」ことで防止できるはずである。
日頃から安全運転を意識し意識し,「もしかしたらほかの車は自分の予想外の動きをするかも」と考えて運転することが重要。

7 それでも事故を100%防ぐことは困難なので,万一に備えて任意保険にきちんと加入することが不可欠。特に無保険車からのもらい事故や自分の過失が大きい事故の際に自分の損害もカバーできるよう車両保険や人身障害特約の充実も検討すべき。

8 弁護士特約は有効なので活用を

と,こんな感じの話を約1時間させていただきました。
朝からの講習で参加者が疲れているなかでのトリの講義でしたが,少しでもお役に立てればと思います。
(半田)
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