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ヤミ金には手を出さないで!2012年11月30日

早いもので,2012年も残すところあと1ヶ月となりました。
毎年年末になると借金問題でのご相談が増える印象がありますが,
ここ最近は借金問題の中でも,いわゆる「ヤミ金」に借入がある
というご相談が増えている気がします。

ヤミ金とは,正確な定義がないのですが,私は
「高金利での貸し付けと暴力的な取り立てを行う未登録貸金業者」がヤミ金であると考えています。
警視庁のホームページ
多くは暴力団などの反社会勢力,またはそれに類する人物が多いようですが
会社のような形を取るヤミ金も見たことがあります。

さて,ヤミ金の主な手口はこういうものです。
皆さんは,「ブラックOK」とか「電話一本で即融資」などという宣伝文句とともに,
携帯電話の番号が書かれている張り紙(張り紙自体条例に違反する違法なものですが・・・)を見たことがありますか?

ヤミ金は,多くの場合こうしてお金に困っている方
(多くは過去に破産したり高齢であるなどの理由で,銀行や消費者金融からの融資が受けられない方)を狙っています。
また,破産をした人を狙ったダイレクトメールなどで勧誘をすることもあります。
ヤミ金の利息ですが,「トイチ」という言葉を聞いたことがある方もおられるかもしれません。
これは「10日で1割(年利360%)」という法外な金利です。
最近は「トサン(10日で3割,年利1080%)」とか
最初に8万円を受け取って,1週間後に10万円を返す(週2割,年利960%)
というものもあるようです。

もちろん,お金に困ってヤミ金に手を出すわけですから,こんな法外な利息を払えるはずはありません。
払えなくなるとヤミ金は借りた本人だけでなく家族や職場(貸す際に周辺の電話番号を話している方がほとんど)に執拗に電話をかけて催促したり,
脅し文句を交えて過激な取り立てを行います。
精神的に疲弊した被害者は,とにかく取り立てを止めようとその場しのぎの対策をすることになります。
そうするとヤミ金は「利息だけを支払え」と言ったり,
「別のヤミ金から借入をさせて利息を支払わせ,次々に法外な金利の借入をさせる」
ということになり,どれだけ返しても借金がなくなるどころか,利息が増えていく一方になります
俗な言い方ですが「尻の毛までむしられる」結果になってしまいます。

また,借金をチャラにしてやる代わりに,預金口座を作ってこい,と指示されることもあります。
この口座はヤミ金や振り込め詐欺などの違法行為に使われる
(ヤミ金の返済金の振り込み先は,よくわからない人の名義の口座がほとんどです)
ことになるのですが,第三者に譲渡する意図で口座を作った場合,
刑法上の「詐欺罪」に該当し警察に逮捕されてしまいます(近年,この刑事事件が多くあります)。

 では,このようなヤミ金被害に遭わないためにはどうすればいいのでしょうか。
 当たり前のようですが「よくわからない相手からはお金を借りない」ということが一番です。
どうしても生活資金に困った場合でも,社会福祉協議会の「生活福祉資貸付制度金」など,ヤミ金以外でも解決のすべはいくらでもあります。

 もし万一ヤミ金から借入をした場合はどうでしょうか。
 この点について,最高裁判所平成20年6月10日判決は,
「ヤミ金融業者が著しく高利で貸し付けた場合、利息分だけでなく、支払った元本・利息の全額を損害として請求することができる」旨の判断をしました
(http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/yamikin/index.html)
これは,著しく高利のヤミ金については,違法利息はもちろん元本までも返す必要はなく,
払ったお金も返還するよう請求できる(返還に応じてくることはまずありませんが…)ということです。
 したがって,きちんと弁護士などの専門家に相談すれば,ヤミ金の被害からは逃れられることができるのです。
そのうえで,負債があれば破産などの法的処理を,収入が乏しければ生活保護の申請などを通じて,経済的再建を図ることになります。

ただし,ヤミ金は法律に従わないと言う意味で「ヤミ」ですので
弁護士が入ってもすぐに取り立てを止めるとは限りません。
しかしながら,ヤミ金も赤字になるようなことはしませんので,毅然と断り続ければいずれ取り立てはこなくなることがほとんどです。
(どうしても心配な場合には警察に相談することもお勧めします)

一番大事なのは,二度とヤミ金に手を出さないようにしていただくことです。
ヤミ金からお金を借りるのは,切羽詰まってのこともあれば,軽い気持ちで,ということもあります。
弁護士に相談すれば解決する,というのはもちろんそのとおりですが,自分の意思でヤミ金と決別しない限り,またヤミ金に手を出してしまう結果にもなりかねません。
そこで,私の場合には,ヤミ金処理については私の目の前でご本人に直接ヤミ金へ電話をしていただき,毅然と断っていただくことをお願いしています。
もちろん,相手が話に応じなければ弁護士がヤミ金と対応しますが,ヤミ金と縁を切るためにまずは自分で電話をする,その一歩を踏み出していただくことが大事だと思っています。
 
 ヤミ金に手を出さない(一次予防)だけではなく,手を出した人をヤミ金被害から守り(二次予防),再度ヤミ金に手を出さないよう支援する(三次予防),この全てが大切だと思いつつ,ヤミ金と電話でケンカをする日々です。
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