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弁護士の「ワークライフバランス」とは2014年12月21日

近年,仕事一辺倒の生き方を見直し,「仕事と生活の調和」を意味する「ワークライフバランス」を実現すべき,という話を良く耳にします。

労働事件(労働者・使用者問わず)に携わっていると,ワークライフバランスの重要性は身にしみて理解できるのですが,
ふと我が身を振り返ってみると,「弁護士にとっての『ワークライフバランス』って何だろう」と思うようになりました。

以前,標準的な1日の仕事をコラムに書きましたが(或る弁護士の一日),これを見て「どこらへんがバランスやねん!」と思われる方も多いと思います。
確かに,始業終業の時間が曖昧で,人によっては深夜まで仕事をしているとか,土日に会議や出張が入るとか,仕事が立て込んでいたり緊急案件が入ると休み返上は当たり前で盆や正月もあってないようなものなど,ワークライフバランスの重要性については「むしろ自分が大丈夫か」と言われてしまう状態です。

けど,僕だけかもしれませんが,以外と弁護士って端から見ると働き過ぎに見えても,ワークライフバランスがおかしい(仕事をしすぎだと思っている),と思っている人は少ないような気がします。
その理由は人それぞれだと思いますが,弁護士の仕事は,生計を得る手段である「仕事」であり,かつ「生き方」だと捉えている弁護士が多いのかもしれません。
弁護士法1条(弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。)ではありませんが,単に仕事と考えていたら,利益にならない公益事件(環境問題,行政事件)や,人の命がかかっている死刑求刑の刑事事件や再審事件などをやる弁護士は居ないでしょう。
これは公益事件だけでなく,例えば企業法務等でも同様ではないでしょうか。激務の中,単に得られるフィーだけでモチベーションを維持できるとは思えないからです。

では,なぜこのような「仕事≒生き方」になるのか。それはやはり「自分で事件を受けるかどうかを決められる」こと,及び「自分の信念や人生観を事件処理に反映させることが出来る(反映させないといけない)」ということにあるのだと思います。
研究者(大学教員など)の先生方とお話をする機会も多いのですが,皆さん研究分野を(仕事とは思えないほど)熱く語られます。弁護士も同様に,関心のある分野を深めていくと,どんどん仕事という意識が薄れていき,仕事≒趣味になってくるような気がしています。

とはいえ,弁護士も激務の中,きちんと趣味や家庭を大事にされている方がほとんどです。
(佐賀にも弁護士の野球部やフットサル部,テニス部があります)
その意味では,弁護士は時間の使い方が上手いのかもしれませんね。

昨今,法曹養成の問題などから法曹志望者が減っており,弁護士の仕事に「魅力がなくなった」と言われることもあります。
確かに,収入を得る手段=仕事としての弁護士業は厳しくなっていると思いますが,生き方(自己実現)としての弁護士には,まだまだ魅力が失われていないと思います。
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