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B型肝炎訴訟 最高裁判決2021年04月26日


慢性肝炎(e抗原陰性)の再発における除斥期間が争われたB型肝炎訴訟の最高裁において,本日,起算点を「再発時」とする判決が出されました。
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判決文の詳細な分析はまだですが,重要と思われる点をご紹介します。

まず,判決では一般論として「加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部または一部が発生したときが除斥期間の起算点となる」と判示しました。

そして,本件で争われたHBe抗原陽性慢性肝炎のセロコンバーション後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症した場合には,e抗原陰性慢性肝炎は自然寛解の可能性が低いことから「病態の中でもより進行した特異なもの」であるとしました。

また,どのような場合にHBe抗原陰性慢性肝炎が発症するかはまだ解明されていないことから,HBe抗原陽性慢性肝炎時点でHBe抗原陰性慢性肝炎にかかる損害の賠償を求めることは不可能であるとし,以上の点からHBe抗原陽性慢性肝炎による損害とHBe抗原陰性慢性肝炎はによる損害は質的に異なるとして,HBe抗原陰性慢性肝炎発症による損害はHBe抗原陰性慢性肝炎発症時が起算点になると判断したものです。

今回の判決はHBe抗原陰性慢性肝炎の再発という症例に関するものであり,他の除斥事案にそのまま適用されるかどうかはより慎重な検討が必要ですが,判決には三浦守裁判官が「同様の状況にある特定B型肝炎ウイルス感染者の問題も含め,迅速かつ全体的な解決を図るため,国において,関係者と必要な協議を行う」などして国に責務を果たすよう求める補足意見を付しています。

国にはこの補足意見を真摯にうけとめ,他の慢性肝炎除斥の事案についても早期の解決に向けた誠実な協議に臨むことを希望します。

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